盆栽には形式美(ルール)があるの?形式美について解説します!

こんにちはHello!!盆栽です。

今回は盆栽の形式美について基本的なことと、僕の考え、経験を少しお話ししようと思います。この形式美は長い歴史で培われてきたものなので、少し難しいかもしれませんが、あなたが日本人なら、また日本の精神を大切にし、盆栽を始めたいと思うなら、ぜひ一度、目を通していただけると幸いです。

*ボックスで囲まれた部分は僕の考えや経験です。

今は盆栽は「BONSAI」として海外でも人気が高まっています。しかし、外国の方は割とアートの面が強いように思います。(もちろん形式美を大切にしている方もいらっしゃいます。)対して、日本人の場合、樹本来の美しさや生命を引き出し、形式美(ルール)を大切にし、樹を仕立ててきた歴史があります。その歴史が引き継がれて今現在の盆栽が存在しています。

これには僕も一人の盆栽を始める日本人として、本当に大切にしなくてはいけないと思いました(私の場合、盆栽はアートでもあると思っていますが)。これって日本人の個性ですよね。グローバル化による、海外志向、海外文化の流入や消費社会といった現在の日本に、歴史を重んじ確固たる個性を持つものが日本文化で、この個性がなくなっては極端な考えかもしれませんが、日本ではなくなるという風に思っています。

前置きはさておき、ここからは盆栽の形式美についてお話ししたいと思います。

盆栽の形式美

盆栽の正面(表)

表:樹が一番美しく見えるポイント。幹と枝の動きが見え、根がきちんと張った状態を確
認できます。

裏:盆栽の奥行き感を出すための裏枝があり、表とは違い幹や枝の動きが見えなくても
問題ありません。

正面に関しては樹の成長によって変わってきますので、植え替え時などに正面を変えることがあります。

側面から見ると樹がお辞儀しているように見えるのが大切です。他の人も同じように言っている方もいるかもしれませんが、私の家では友人やお客さんなどが家に来る場合には玄関に置くウェルカム盆栽を用意しています。これはお客さんが来たときに「ようこそいらっしゃいました」とお迎えし、帰る際に「またのお越しをお待ちしております」というような日本のお辞儀文化を取り入れた方法をとっています。

ちなみに盆栽界では「名木に表裏なし」という言葉があります。どこからみても美しい盆栽ということですね。こういう樹を目の当たりにすると本当に圧倒される感じがあります。

盆栽の流れ

樹には左右どちらかの方向があり、この方向を「流れ」といいます。呼び方は右に流れているものを「右流れ」、左に流れているものを「左流れ」と呼びます。右流れで説明すると右流れで一番右下にある枝が「利き枝」となり、左側の一番下にある枝が「受け枝」となります。

空間美

盆栽には「間」というものが存在します。つまり空間です。盆栽を仕立てる際には空間を意識し、仕立てていくことになります。枝と枝の間の空間、利き枝と受け枝の下にある空間を意識し、仕立てることで盆栽の個性が出てきます。

初心者には少し難しいかもしれません。正直、僕自身もいまだに「空間」を作る際には悩んでいます。これも日本人の感性かもしれませんが、空間には美しさがあると思っています。何もない空間にですよ!?なんとも表現しにくいのですが、空間があるから美しいんです。空間、つまり間がないと文字通り「間抜け(まぬけ)」な感じがするんです。
侘び寂び
侘び寂びと聞くとお茶の世界を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。そうなんです。例えば「侘び茶」というのは不足の美を表しています。松尾芭蕉の弟子の一人の向井去来は「さびは句の色なり」と記しています。松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」というのもというのも情景を思い浮かべるのはそう難しくないのではないでしょうか。
盆栽にも侘び寂びがありますが、侘び寂びという感性自体が曖昧なものでもあるので、僕が一番イメージしやすい盆栽の侘び寂びを下記に記しましたのでぜひ、チェックしてください。
今でこそ、360°どこからでも鑑賞する機会が増えてきた盆栽ですが、元は床の間に飾り、鑑賞することが多かったのです。最近の家には床の間が減ってきましたが、床の間って部屋の真ん中にありますか?いいえ、左右どちらかにあるのが一般的なんです。それは盆栽や花、掛け軸などを飾り、そこに景色を作り出していたからなんです。そう!空間に景色を作り出していたんです。空間を楽しむ「不足の美」だと思います。そして一見簡素な空間だからこそ寂びを感じることができます。これを知った時はなんか自分の知らない宇宙に入り込んだ気がして興奮したのを覚えています。日本人は床の間に飾った盆栽から空間や襖に自然の情景を思い浮かべて楽しんでいたんです。なんとも「侘び寂び」ですよね。自分で書いてて改めて感動してます。笑

終わりに

いかがでしたでしょうか。盆栽ってなんとなく良いなぁと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、形式美や日本人としての精神などを理解すると盆栽への見方が少し変わってきたのではないしょうか。グローバル化が進んできている今だからこそ、盆栽の美について改めて考えていただけると嬉しいです。そして、私と同じような考えを持ってくださる方が一人でも増えると大変嬉しく思います。

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